サイアム博物館を見学

 3階で降りて順路と思われる案内に沿って歩いていくと、最初がきらびやかな衣装に身を固めたタイの国王様と思われる人物の像が、静かに回転している部屋でした。

 その周りには多数の生徒諸君がいて、何やら先生が説明しています。もちろんタイ語ですから私には全く意味不明。というわけで、その脇を通って次の部屋へ。

 次が壁いっっぱいに様々な展示物を収めた部屋で、入館者は壁にある引き出しを自由に引き開けてみて構いませんと係員さんが教えてくれました。

 中でちょっとだけ「ああこれかあ」と思ったのがバーチェン遺跡から発掘されたと思われる壺の展示。

サイアム博物館 バーンチェン遺跡の壺

 暗いのとガラス越しの撮影でちょっとピントがぼけていますが、バーンチェン遺跡の壺のデザインの特徴がよくあらわれていると思います。

 地の色はクリーム色でそこに茶色で書かれているわけですが、こんなきれいな曲線をどうやって描いたんだろう?と改めて興味を感じます。しかしこの部屋で興味を引いたのはこの壺だけ。

 引き出しをいくつか開けてみましたが、「これは?」と思うものもなく、次の部屋へ。すると中央奥に王様が座る玉座があり、その周りに生徒諸君が集まって先生の話を聞いています。

 やがて一同はさらに奥の部屋に移動したので、ゆっくりと玉座を鑑賞。

サイアム博物館 玉座 

 さすがに王様が座るだけあって、台部分の金色の彫刻が精緻です。しかし実際に座ったのかどうか?座ったとしても座り心地はかなり悪そうです。

 さらに一団の生徒たちが去った後に奥の部屋に入ってみましたが、そこはタイの人たちの民族衣装だけでなく、現代の人たちの衣装を着た多数のマネキンが展示。

 「なんじゃこりゃ?」というのが最初の印象。玉座の裏の部屋が衣装の展示?というコンセプトが良く分かりません。

 


 これで3階が終了。下の階に降りて順番に見ていくと仏教美術と思われる部屋があり、多数の小さな仏像が展示されていました。ちょっと訳が分からない仏像だなと思って目を惹いたのが以下の仏像。

サイアム博物館の仏像

 最初はナーガ神かと思って近づいたのですが、よく見たら蛇ではなくアカンベーをした人の顔に見えます。しかも多数の腕と足、顔を持っている神様の様で、足元の女性の上に乗っている?初めて見ました。

 小さなガネーシャ像もありました。タイの仏教を身近に感じるようになると、こういったコンパクトなガネーシャ像を部屋に置いておきたくなります。

サイアム博物館 ガネーシャ像

 さらにタイ料理を紹介する部屋もありました。料理が好きな人には参考になるかもしれません。紹介されていた料理は50種類ぐらいだと思います。

 1階には特設コーナーとして刺青を紹介した部屋があり、どうやってあのような刺青を作るのかという道具が展示。

サイアム博物館 刺青に使った道具

 傍らでは実際に入れ墨を入れている動画が表示されていましたが、いかにも痛そう。しかし民族的に顔に入れ墨を入れる風習があったんだなということは展示された写真で理解できました。

 しかし風習とはいえ、なぜ入れる必要があったのかということまでは理解できませんでした。とはいえ山岳民族と思われるおばあさんの顔に入れられた刺青は、ある意味風格も感じました。

 というわけで一連の見学を終了。ネットで調べてみたら2017年に大幅なリニューアルが行われた様で、私が以前見た展示は大幅に削減。

 小中高生に現代のタイを理解してもらおうというコンセプトに変わったのかなという印象を持ちました。ただ私が求めていた知識とは別物だったので、ちょっと興ざめ。

 見学を終えて、1階にあったカフェ「muse By D'oro」でラテ75Bを飲んでちょっと休憩。全体の見学時間は1〜2時間ぐらい。シニアが無料というのはうれしいですが、展示内容がシニアの外国人観光客の興味、関心とずれてしまったような気がします

 しかしMRTが開通して便利になったのは間違いありません。駅からちょっと歩けば見学できますから、現代タイの成り立ちということに興味を絞れば楽しめそうな気もします。



フォーク&コーク バイ スフインクス


2019年8月の旅行


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