バンコクの人口と経済

 バンコク旅行にいって最初に感じたのは、人が多いなあということ。繁華街だけでなく、階段の陰とか、普段見過ごしてしまうような路地にも人がいたりしてびっくりします。

 人口を調べてみると、約6600万人。国土や約51万km2ですから、人口密度は126人/km2。これを日本と較べると、日本の場合人口は12665万人で約2倍。しかし国土の面積は38万km2です。人口密度は339人/km2。

 要するにタイは日本の1.5倍ぐらいの面積があって、そこに日本の半分の人口が住んでいるということです。従って人口密度は日本の3分の1程度になります。

 しかし実際にはほとんどの人が都市部に住んでいます。日本では東京の人口密度が6025人/km2(ただし23区に限れば、なんと14400人/km2ぐらい)だそうですが、バンコクは3600人/km2です。したがってバンコクの方がまだ良いという感じはしますが、中心部への集中度合いがバンコクの方が大きいような気がします。

 というのもバンコク市街の地図を広げるとすぐに分かりますが、中心部はBTSとMRTで囲まれた長方形あたりで、そこから数km離れたら、途端に田舎になるからです。

 一方人口の増加率は、1980年が4600万人だったのに較べれて、現在は6600万人ですから、およそ1.4倍の伸び。若い人が多いわけです。しかしこの伸びはすさまじいですね。

 当然ながらこんなに人口が急激に増えたら仕事がないのではないだろうかと思えます。ところが2010年のタイの失業率は、なんと1%。これはさすがに怪しいように思えます。

 ただし個人的な営業形態(バイタク、トゥクトゥク、屋台等)をすべて就業者と考えれば、納得できるかもしれません。その意味ではほとんどすべての人が何らかの形で職業を持っていて働いていると言うことです。

 また仕事の数が多いということも一つの特徴かもしれません。ホテルの朝食会場に行ったとき、卵の専属係がいたことにびっくり。

 つまりこの人は、日に何回あるか分からないような目玉焼きを作る専門の人でした。それ以外の仕事は一切せず、卵を前にしてじっと立っていました。

 というように、極端な分業体制?が整っていて、日本のように一人がいくつもの仕事をこなすという体制が少ないため、その分雇用が確保される、ということなのかもしれません。

 そういえばあるレストランでトイレに入ったら、5B請求されたことにびっくり。この人はトイレの前でず〜っと利用する人を待っていて、ペーパータオルかなんかを差し出す代わりに5Bもらうという仕事のようでした。

 しかしこういった仕事は当然賃金は安くなるはずです。ではタイのサラリーマンの給料はどのくらいか?ネットで調べても公式なデータがなかなか見つからないのですが、どうやらここ5年ぐらいで年収も30%ぐらいアップして、現在は年収14万Bぐらい。

 14万Bは現在のレートでは36万円。要するに日本の平均的サラリーマンの10分の1ですね。そんなんで生活できるのか、ということが気になります。

 しかしだからこそよりよい生活を求めて、みんなが必死に働いているわけで、それが日本の旅行者から見ると活気があるように見えるのかもしれません。

 しかし平均的サラリーマンの年収が36万だとすると、そうではないいわゆる個人的な自営業の場合はもっと少ないはずで、そうゆう人たちから見れば日本人観光客が、まったく気にしないで100B、1000Bと1日で消費するのは驚異的に見えるだろうなあと思います。



トップページヘ バンコク雑感 マッサージ