爆発事件と旅行のキャンセル

 2015年の夏は、8月前半にハワイ、後半バンコクという贅沢な旅行を予定していました。

 特に後半バンコクは、少しずつ貯めてきたアメックスのクレジットカードのショッピングポイントをチャイナのマイレージに移行して獲得したビジネスの特典航空券で、ハワイ帰国時から、かなり旅行を楽しみにしていました。

 ところが2015年8月17日の午後7時ごろ、バンコクのエラワン廟近くで爆発事件が発生。

 そのことを知ったのが18日で、びっくりしていろいろなニュースを見てみると、上記の内容が分かり、しかも結果的に亡くなられた方が20名、怪我をされた方が100名以上という、とんでもない大きな事件に発展。

 私自身伊勢丹の紀伊国屋書店によく行くので、いつも高架橋の上から眺めている場所で、様々なご利益があるとガイドブックにも書かれていて、常に地元の人や観光客で賑わっています。

 周辺にはお供えものを販売する店も多数あり、廟の一角では常にタイの踊りが行なわれています。

 被害が大きくなったのは、そういった人が多数集まる場所だったということも大きな原因の一つだと思いますが、ご利益があると思われるある意味宗教的な場所での爆発ですから、巻き込まれた人やその家族、関係者の無念さは限りなく大きいと思われます。

 現時点で犯行声明等は出ていないようで、目的も不明。ただ地元の人も、観光客も含めた人たちに被害がでていますから、特定の人を狙ったものではなく、無差別に人ごみを狙ったということのようです。

 その翌日は、チャオプラヤエクスプレスの「サパーンタークシン駅」近くの桟橋で爆発もあり、これはたまたま狙いがそれたようですがすが、やはり無差別に近いものを感じました。

 そういったことを考えると、バンコク国内でよく争われているタクシン派と反タクシン派の関係で事件が起きたとは思えません。

 エラワン廟も桟橋も、様々な不特定多数の人が集まる場所ですから、要は誰でも良いという不気味な意図を感じます。

 しかも爆発物の検証で、火薬の中に金属球が含まれていて、殺傷能力も高くされていたという話ですから、本当のゲリラ戦で使うような爆発物のように思えます。

 ということは、やはり恐怖感を与えることによって、観光産業に打撃を与え、現在の政権基盤を弱体化させようという組織の試みなのかなという気もします。

 しかしだとすると、今後も犯人やそれに関わった組織が特定されない限り、人が集まる場所は危険ということになり、確かにバンコク経済に与える影響は大きいように思います。

 そんな中、私も1週間後のバンコク行きを控えていて、最悪のタイミングになりました。人が集まる場所に爆弾を仕掛けるという卑劣な方法は、仕掛けられる方は避けようが無く、運が悪かったで済まされてしまいます。

 当然ながら観光客が集まる場所が今後も狙われる可能性もあり、兼ねて予定されていた「ジャパン・エキスポ・タイランド」は中止となりました。

 さてどうするか?と悩んでいたのですが、そんな脅しに屈するものか、という気持ちと、やはり私に何かがあったら家族への影響も大きいだろうという気持ちが交錯し、困っていました。

 ブログにも書きましたが頂上を目前にした登山家が、天候急変予報を聞いて、登頂を諦めるかどうかという決断と同じだなと感じていました。

 ただ自分がいつも動き回る場所を考えると、やはり今後爆発に遭遇する確率は、通常の旅行時より明らかに高くなっていると思われます。

 一方、バンコクとは直接関係ありませんが、私が出発する24日に、太平洋上で発生した二つの台風が日本付近に接近することが分かり、飛行機の運航にも支障が出そうです。

 ということは、行きの飛行機の心配をしながら、現地で動き回るときに神経を使うつということですから、「こりゃのんびりした楽しい旅行はできない可能性が大きくなったな」と思い、結局悔しい思いをしながらキャンセルを決意。実に残念なキャンセルです。


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