BTSに乗り
ラマ・ジュエリーに向かったが

久しぶりにBTSを利用する

 9時に部屋を出て、キーをキーボックスに落とし、ホテルを出て右に向かう。すぐに少し大きめの通りに出るので左折。この曲がり角には滞在中いつも同じおじさんがいて、私が通るたびになんか言っていたが、よく分からない。

 たぶんバイクかドゥクトゥクのお誘いなんだろう。昨年は見知らぬ人から声を掛けられるたびに緊張したが、今年は別に気負うまでも無く自然体で無視

 いろいろな場所で経験したが、旅行者かそうでないかはすぐに見抜かれてしまうようだ。しかし行動に自信を持っているかそうでないかで勧誘のしつこさはずいぶん違う。当然のように、あっさりと素早く丁寧に(丁寧にというのは大事だと思う。相手だって必死なんだから邪険にしていはいけない)断るとそれ以上の声がけはまったくない。

 ちょっとでも迷ったり立ち止まったりすると、途端にしつこくなる。そうやって言い寄られて断るのに窮している日本人の中年おじさんを多数見かけた。

 まあそのおじさん自体、多少なりとも下心があるのだろう。ともあれ気持ちの中に多少の不安を持っていても、それをあまり表面に出さず自信を持って行動していれば、それほど嫌な目にはあわないようだ。

 やがて道はいわゆるスクンビット通りに出るが、この右手の階段を登ればBTSのナナ駅である。

 BTSは時間に正確だし、交通渋滞に巻き込まれることも無い。空気も心なしか地上よりも良いように思えるが、駅に至る階段が長いのが欠点だ。エスカレーターが設置されている場所もあるようだが、数はかなり少ない。ようやくの思いで階段を登り切り、人ごみに揉まれながら券売機に近づく。

 券売機横の目的地までの区間を確かめ、この区間に相当するボタンを押すと料金が表示されるので、小銭を入れる。するとテレフォンカードのような切符が出てくる。

 もし小銭が無ければ近くの窓口に出向き、小額紙幣を出して「exchange please」と言えばすぐに両替してくれる。

 改札ではカードを指定のスリットに入れると、その上方からカードが飛び出してくるので、これを抜き取ると同時に素早く改札をすり抜ける。

 実際に券売機を見るまで覚えているかどうか不安だったが、以上のことをすぐに思い出した。券売機の前で悩んでいる欧米人を尻目にちょっとばかり優越感に浸りながら改札を通過。

 BTSはかなりの頻度で運行されている。滞在中5分以上待った記憶が無い。列車がホームに滑り込んできて最初に目に付くのは車体に書かれたとんでもなく大胆な広告である。

 しかも窓がサンスクリーンになっていて、内部が見えない。従ってどの辺が混んでいるのか、実際にドアがあくまでさっぱり分からない。かなり不便だ。しかし日差しの強いバンコクではやむを得ないのかもしれない。適当な場所に並んで乗り込む。


ラマ・ジュエリーは敷居が高かった

 途中で1回乗り換え、スラサック駅到着。記憶していた地図を頼りに歩く。今回の旅行で注意していたことの一つに、路上では地図を極力見ないようにしていたことがある。

 これは余計な声がけを少しでも少なくして、自力であちこち行動するための予防処置だ。有名な観光地でなければ、それほど声がけはないと思うが用心するに越したことは無い。

 道は駅からほぼ一直線なので分かりやすい。しかし到着してびっくり。まあ宝石店なんだから当たり前なのだが、普段から宝石店や女性のアクセサリーなんぞを売る店なんか入ったことはないので、いわゆる高級宝石店の店構えがどんなものか全く知らないのだ。

 というわけで店を目の前にしてしばし呆然。これはおよそ見当違いの店に来てしまったということにようやく気づいた。駅から5分、汗だくになって歩いてきた結末はあっけなかった。しおしおと再び同じ道を取って返した。

 ここまでは強気強気で押してきたバンコク旅行であったが、やはり虚勢は張るものではない。一挙にメッキがはがれた感じである。

 バンコクは安い、という固定観念で行動するとろくなことは無い。石を買うだけならあちこちの市場で買えば良いということに遅まきながら気がついたのである。バンコク恐るべし、やはり高級品は高いのである。


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