シナワットの生地は高かった

「安い!」と言われた生地やさんは、高かった

<FONT COLOR="#ff0000">シナワットの生地は高かった</FONT> すぐに昼食場所に移動するのかと思いきや、時間があるのでちょっと生地屋さんに寄ってみましょうということになった。

 昨日もそうだが、サービスなのか、ちょっとだけ金を使わせようと言う魂胆なのか、突然予定外の場所に行くことがあるようだ。

 同行者は男5人なので、生地やさんに寄ってもたいした商売にならないだろう。もしかしたら本当にサービスの気持ちなのかもしれない。

 ともあれ、行くこと自体に反対ではないが、よほど安くて良いものであるということが確信できない限り、私の財布の紐は固い。

 ガイドさんによれば、生地はジムトンプソンが有名だが、こちらの店はそれよりかなり安いとの事。ジムトンプソンは有名になった分、高くなってしまったと、一応正当な話をしてくれる。

 まあとりあえず行ってみようということになり、車に乗ること10分ぐらい。車から降りて瞬間的に「あ〜、この店では何も買えないな」と確信した。

 なぜかというと店のつくりがとんでもなく立派だったのだ。それでも折角来たのだからとりあえず店内に入ってみようという気になるのは、やはりガイドさんの「安い!」という言葉が心に残っているからだ。

 入り口を一歩入ると、すかさず数名の美女が、どう見ても金を持っていないと思える我々一行を取り囲み、胸に小さなバラの造花なんぞを挿してくれる。

 売ろうという意気込みだけは伝わってくるが、如何せん周囲にはシックな高級感が漂っていて、むさい男5人にとっては場違いな雰囲気だ。

 私自身もともと生地にはそれほど関心がないし、生地の値段の相場と言うものも知らないので、価格を見てもちっとも安いという実感が湧かない。ましてや美しく調和の取れた陳列棚に恭しく置かれている生地は、どう見ても「安い!」という印象ではないのだ。

 結局私は簡単に店を一回りして、一足早くさっさと退店。入り口付近で同行者を待つことになった。まもなく4人のグループもそれぞれ戻ってきたが、一人だけ何やら小物を買った模様。まあこれでもこの店に来た価値はあるだろう。きっとガイドさんも満足しただろう。

 後で店の名前を教えてもらったところ(英語名の店名がどこにも書かれていないように思えた)、「シナワット」という店である事が判明。

 早速手持ちのガイドブックで調べてみると、ちゃんと出てました。コメントを見ると、「値段は高目だが、品数が豊富」とある。なんだそりゃ、やはり高いんじゃないかと思いつつ、まあきっと親切で連れて来てくれたんだろうと、心優しいおじさんは鷹揚に構えることにした。


トップページヘ 2回目バンコク旅行へ 昼食へ