夜遊びに出かけるが

一大決心をして、夜遊びの店に向かう

 古式マッサージはすでに体験した。水着の女の子が踊る、いわゆるゴーゴーバーという店にも行き、システムも理解できた。

 次におじさんや若者たちが出没する場所はMPと呼ばれるところだ。実は夜遊びの場所は、この他にクラブのようなところもあるらしい。特にタニヤ界隈には日本人専門のクラブがあって、日本語が通じ、現地の駐在員さんにとっては憩いの場所となっているようだ。

 しかし日本語が通じ、会社の経費で飲める店となれば、料金は高くなるに決まっている。中にはセット料金のシステムをとっている店もあるようだが、異文化を体験しに旅行をしているのだから、何も日本人ばかりの店にあえて行く必要はないと考えた。

 そこで昨年宿泊したエメラルドホテルの通り沿いに立つ有名店の一つに試しに出かけてみることにした。

 地下鉄に乗り、目的の店までぶらりぶらりと歩いていく。あたりはすでに暗い。それにしてもこの手の店構えは本当に立派だ。高級シティホテルと間違えてしまう。建物前には広大な駐車場が広がっているし、入り口前には車の横付け用のロータリーが出来ている。

 入り口が近づくとさすがに迷いが出る。本当に入ってもいいのかな、すぐに帰ってもいいのかなと、つい弱気になる。

 とそのとき、目の前を40ぐらいのおじさんが通り過ぎ、そのまま入り口から中へ消えてしまった。まあ、そんなもんなのかな、と訳のわからない気持ちになって、続いて入店。


とんでもなく豪華なつくりにびっくり

 入ったところが豪華な受付。美しいお姉さん方が例の挨拶をしてくれる。すぐにこちらですと案内があり、ちょっと不安ではあったが指し示された方に向かう。雰囲気は怪しい雰囲気とはかなり異なる。

 階段を上がると立派なソファーがあり、そこでくつろいでいる客が何人かいた。横手からいつのまにか案内人(コンシアと呼ぶのだろうか)が現われ、座るべき椅子を丁寧な物腰で指し示してくれる。同時にさりげなく美女が現われ飲み物の注文なんぞを聞かれる。

 私の方は視線が目の前の大型水槽のような硝子の向こう側の女性たちに奪われてしまい、かろうじてビールを注文。いやはやなんとも絢爛豪華と言うんだろうか。たいしたもんだの一言だ。

 もともとタイの女性は美形に思えるが、その女性たちがこれでもかという美しい原色の衣装を身につけて座っている様子は、まさに竜宮城である。つい視線があちこちに彷徨ってしまうが、どうやら向こうからも客の様子が見えるようだ。

 本当は食事でもしてゆっくりと、というのが目的だったのだが、その場の雰囲気はとてもそんなのんびりしたものではなく、これは長居をすると話がどんどん進んでしまうなと身の危険?を感じ、結局頼んだビールも半分ほどしか飲まない状態で、また来る旨をコンシアに伝えて退店。

 なんか危機一髪脱出できたみたいな安堵感を感じつつ店をあとにした。どうも夜遊び初心者の私には荷が重い店だった様だ。


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