居酒屋「花子」

 ウエスティンホテル手前の道を右折し奥に進みます。徐々にあたりは暗くなります。コンビニの角を左折するとさらに薄暗い通りになり、これはちょっとまずいところに紛れ込んだかと思わせますが、この通りは以前から薄暗いことを知っています。

 構わず進んでいくと、道ばたに数人のお兄ちゃんたちが立っていて、通行人を見ています。周辺が暗いので、この雰囲気がなんとも物騒に感じます。

 「この連中はいったいこんな所で何をやっているんだ。旅行者とみてひったくりでもやるつもりか」と最初は身構えたりもしましたが、何の事はないお店の客引きのお兄ちゃんたちで、入り口に近づくと「イラサイマセー!」と声をかけてドアを開けてくれます。

 要するにホテルのドアマンと同じ仕事なのですが、普通の居酒屋で、わざわざドアを開ける人が何人も存在するということ自体が凄いです。「人がいっぱいいるんだなあ。これなら人件費も安いのは分かるな」と思いつつ店内へ。

 ドアが開くと同時に店内から黄色い声で「イラサイマセー」の大合唱が聞こえてきます。これだけ若い女の子に歓迎されれば、どんな男でも気分は良いです。ちなみにどうやらイラッシャイマセという発音は出来ない人が多いみたいです。

 一人なのでカウンターかなと思っていたのですが、店内は大混雑。同じカウンターでも一番奥の寿司のカウンターになってしまいました。

 この座席だと、向かいにいるのは寿司職人のお兄ちゃんだけで、若い女の子が給仕をしてくれる入り口近くのカウンターとはちょっと雰囲気が違います。

 ただ目の前に並んでいる寿司の食材は見るからに新しそうで、「寿司でも食うか」という気持ちになりましたが、「初日から生ものはやめておこう」と考え、牛タン焼きと焼き鳥の盛り合わせを注文。

 飲み物は?と聞かれたので、本来なら地元のシンハビールを飲むところですが、聞くところによるとアルコール度数が通常のビールよりも若干多いらしいので、日本でもたまに飲む「ハイネケン」を注文。小瓶を予想していたのですが、大瓶が出てきました。

 このビール代が210B。日本円で560円ぐらいでしょうか。さすがに有名な居酒屋さんなので、それなりの値段です。

 この店は現地ではかなり有名らしく、タイで働いている日本のサラリーマンが多く訪れるようです。ビールを飲んでいると、先ず牛タンが。続いて焼き鳥盛り合わせが。

 しかし盛り合わせは串に刺さっておらず、色々な部位の鶏肉がお皿のあちこちに散らばって焼かれています。味は全く問題なくおいしいです。

 ビールを飲んで焼き鳥を食べていると、どんどん後から後から客が入ってきます。これは注文が大変だなと思ったので、仕上げようにカニ雑炊を注文。これまたなかなかの味でした。

 注文はすべて日本語で出来ますが、頼む人によっては日本語がまだよく分からない人もいるようでした。初めてでも安心して飲める店ですが、現地のサラリーマンが多く、単なる観光客が一人で行くと、ちょっと寂しい思いをする店でもあります。

 さて以上の会計が750B。だいたい2000円です。かなり日本の物価に近いものも感じますが、これはこの店とのように、日本人が多く集まるような店が他の店よりも若干値段が高めに設定されているということです。現地の人から見れば羨ましくなるほどの金の使い方だろうなあと感じます。


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