ゴーゴーバーの通りを歩く

 ほろ酔い加減で居酒屋さんを出て再びホテル方面にフラフラと戻ります。先ほどきらきら光っていた巨大なクリスマスツリー周辺にはさらに人が溢れ、皆さん記念写真を撮っています。

 その周辺を、この建物内に入る車が通り、歩道と車道の区別がよく分からないままに、人と車が交錯しています。

 まあ今更驚きませんが、通りから建物脇に入る車が歩道を横切るのはしょうがないとして、整理に当たる係員がピーピー笛を吹いているだけで、ほとんど整理されていないところがバンコクらしいところです。

 超近代的な建物の前の舗道上では屋台もひしめき、さらにあまり照明の当たらない場所には物乞いも多数います。ともかく色々な意味で落差の激しい街です。

 それらを横目に、私は地下道を通り抜け、夕方通り過ぎたいわゆるゴーゴーバーのある通りへ向かいます。いよいよ本日の佳境ですね。ただ読者の皆さんの期待には添えないと思います。

 スクンビット駅から地上に出て、舗道上を右折して10mぐらいでこの通りがあります。名前を「ソイ カウボーイ」と言います。通りに近づくだけで、お腹の底に響くようなズンズンというリズムが聞こえてきます。

 ショルダーバッグを肩からしっかりかけ直し、ゆっくりと周囲の店のネオンを見ながら、反対側の通りまで歩いていきます。ここがあの有名な「・・・」か。なるほどなるほど。それでここがステージが大きいと言われている店だな。

 「おっとこの店はぼったくりで有名らしいな」「やっぱりこの店は客が多そうだ」なんて、実はあらかじめ多少店の様子を調べてあったりしているので、その内容を反芻しながらぶらりぶらりと歩いていきます。

 周辺には先ほど通ったとき同様、女の子たちが飲み物を飲んだり、看板を持って誘ってきたり、声をかけてきたりします。中には腕をつかんでくる子もいたりして、拒否しながらも、つい頬が緩んでしまいます。

 今回なるほどなと思ったのですが、声をかけられたりしたとき、ふとそちらの方を見て、「あっ可愛い子じゃないか」と内心思ったりしてその子を見つめたりすると、「脈あり」と感じるのか、勧誘の度合いが強くなります。(毎回書いているような気もします)

 反対にゆっくり歩きながらでも、周囲の女の子たちと視線を合わせないようにすると、女の子たちからの積極的な勧誘はありません。

 いずれにしても、日本ではあり得ない光景ですね。20代ぐらいの多数の若い子達(100人以上)が待ちかまえている中を、定年間近のおじさんがトボトボ歩いていくと、「こっち、こっち」と言いながら誘いがかかるのは、未知なる経験です。

 まして誘ってくる女の子たちの半分以上が、目がぱっちり、スタイル抜群、背格好は日本人と同等ですから、心がよろめかないわけはないです。

 日本ではAKB何とかかんとかが活躍しているようですが、それと同等またはそれ以上の子達がゴロゴロいて、その子達がキャーキャー言いながらまとわりついてきたら、普通の男なら間違いなく自制心を失います。

 というわけで、一杯飲んですでに自制心を失いつつある私自身もその中の1軒に入ってみます。日本人の中ではもっとも有名な「バカラ」という店です。


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