若い女の子がやって来た

 さて一般論はこのくらいにして当日の夜です。座席に案内され席に座ります。目の前では多数の若い女の子がステージ上で踊っています。

 「バカラ」というお店は、日本人向けゴーゴーバーを目指しているのか、顔立ちが日本人好みの子が多いです。店の経営方針なんだと思います。

 不思議なことに外人さんたちと日本人の好みははっきり分かれるみたいです。外人さんは普段から鼻が高くて目がパッチリ、ほお骨や顎がしっかりしている女性を見慣れているせいかもしれません。

 というわけでステージを見ると、AKBなんとかかんとかクラスの子達が大勢見えるわけです。「うわ〜、さすがに壮観だなあ」というのが第一印象だと思います。(初めてこの手の店に来たときは、逆にこちらが恥ずかしくなってまともに見ることも出来ませんでした)

 ともあれ、そのような女の子たちをビールをちびりちびり飲みながら眺めているだけでも充分幸せな気分に浸れます。価格が上がったと嘆いている人もいますが、日本円にすれば約400円です。店によっては300円ぐらいです。(バカラは値段もちょっと高めです)

 「夜のバンコクはいいなあ」なんて独り言をつぶやきながらアルコールの雰囲気に浸っていると、不思議なもんでどこから見ているのか、ダンスを待ちをしていて、まだ飲み物を稼いでいない女の子の一人がさりげなく寄ってきます。

 日本ではまったく相手にされないような初老のおじさんに若い女の子がすり寄ってくるのですから、どうしても鼻の下が長くなります。

 お目当ての子がいるときや、すぐに帰りたいときを除いて、今回は素直に寄ってきた子には飲み物を奢ろうと考えていました。来るもの拒まず、去る者追わずの心境です。

 いきなりストンと私の隣に座り、胸に付いている番号を私に見せながら、「私の名前は○○です。座って良いですか?」と聞いていきます。

 「座って良いですか?なんて聞いているけど、もう座っているじゃないか」などと思いつつ、どうぞと手で示します。

 するとその隙間を埋めるようにさらに近づいて「ありがとうございます。私の名前は××です。分かりますか?」と聞かれますが、音楽の音量が大きいので良く聞き取れません。「I don't know」と答えると、私の手を取って、手のひらにスペルを書いてくれます。

 手のひらにスペルを書いてもらい納得。私には母音しか聞こえていませんでした。実際の名前は伏せます。

 さて、相手のおじさんは与しやすしと見たのか、「ノミモノ、イイデスカ〜?」とちゃんと日本語で聞いてきます。またしても「どうぞ〜」と言うと、早速奧のカウンターへ取りにいきました。

 戻ってきて、例によって「アナタノナマエ?」とか「ドコカラ?」なんてことを話していると、すぐにダンスの順番が。

 ステージに上がっても、飲み物を奢ってくれた客には笑顔を振りまいてくれます。こんな調子で迫られたら、日本で不遇を託っている男性諸氏は舞い上がるのが当たり前だと思います。

 しかしダンスが終わって戻ってくると、すぐに「店を出ますか?」と聞いてきました。これがお決まりのコースでしょうがないとは思うのですが、もう少しおしゃべりやステージを鑑賞したいなと思ってしまいます。


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