観光ではなく延々とゴーゴーバーの話しが続いていますが、もう少し続けます。さて私が「No」と言って断った女の子は、やはりその後は素っ気なくなりました。
しばらくするとトイレに行きたいと言って席を立ち、そのまま戻ってきません。そうこうするうちにステージのダンサーも入れかわってしまったので、そのままトイレからダンスに移動することになるんだろう判断し、そのまま店を出ることにしました。
ペイバーを断っても、もう少し話が出来ればダンスに行く前におしゃべり料として何らかのチップを渡そうと思っていたのですが、それすらも出来ませんでした。
まあ、「この客からの稼ぎは望めない」と判断されたのだと思います。私は別にそれで構わないと思っています。
そこでウエイトレスさんに会計を頼みます。タイ語では「チェック ビン」とか言うらしいのですが、私は慣れていないので、「Check please」と言いながら、指で×の字を作っています。
(何も言わずに会計の白い紙をペン立てから出して調べ始めれば、すぐにウエイトレスさんが近づいてきますので、声に出して言う必要もありません)
するとすぐに会計をしてくれます。今回は私の分と女の子の一杯分しかありませんから300数十Bでした。500Bを渡すとウエイトレスさんがお釣りを持ってきてくれますので、その中から20Bをチップとしてウエイトレスさんに渡して店を出ます。
ウエイトレスさんへのチップは渡さなくても文句は言われませんが、その後も通うような店なら渡しておいた方がいろいろとその後に便宜をはかってくれます。
不思議なことに(当たり前かもしれませんが)チップをくれる客の顔はしっかり覚えていて、その次に入店したときすぐにその子が寄ってきて、いろいろ便宜を計ってくれます。
会計が終わったら忘れ物をしないように確認してそのまま店を出ます。カーテンをくぐって外に出ると、相変わらずお店の前には勧誘の女の子たちが多数いて、笑顔で見送ってくれます。
ニコニコしながらその間を通り抜け、最初の店は30分もいませんでしたので、お隣の「シャーク」という店に入ります。バンコク到着日で時間はすでに9時ぐらい。疲れもたまっていますが、もう少し頑張ります。しかし日本時間なら11時ですから、普通ならとっくに寝ている時間です。
アルコールでぼけた頭を抱えながらお隣へ。基本的にはどの店もシステムは同じですから、ここから話しは簡略化します。
カーテンをくぐると、やはり目の前にステージがあります。すぐにウエイトレスの子が私を見つけ席に案内してくれます。「よっこいしょ」と独り言を言いながら席に着きます。
飲み物はと聞かれたので「ハイネケン」と答えると、音楽のボリュームが大きくて聞こえにくいらしく「ハイネケーン?」と語尾を上げて聞き返されました。もちろん「Yes」です。
さてさて、こちらのお店はどんな具合かなと思ってステージを見ると、やはり「バカラ」同様若い女の子たちがいるわけですが、バカラよりも少し空間に余裕があるのか、動きも少しあるみたいです。
周りにいるお客さんは「バカラ」よりも欧米人が多い印象です。女の子を席に呼んでいる人は少ないみたいでした。「みんな何を目的に来ているのかな」なんて思ったりもしますが、チョイ悪親父が考えることはきっと同じなんだろうなとも思います。
そんなことをツラツラ考えながら、ゴーゴーバーという制度は実に面白い趣向だなと思っていた頃ビールが運ばれてきました。今回は妙に冷静に周りを見ています。やっぱり年取ったのかなあ、という悲しさもちょっと感じました。
とそのとき、そんな下らない考えを見通したのか、目の前で踊っている女の子と視線がバッチリ合い、向こうから微笑みかけてきました。若い女の子から微笑みかけられればこちらも頬が緩みます。思わずニコッとすると、今度は手を振ってきます。
なんだか愛嬌のある子だな。フィーリング的に合いそうかも、なんて思っていると、うまい具合にダンスの時間が終わり、すぐにその子が近寄ってきます。入店してまだ10分もたっていません。不思議な空間です。