外出の誘いを辛くも断る

 さて一人になって 冷静にステージを見ていると、やはりというか、うらぶれて暇そうに見えたのか、それとも金づるに見えたのか(これが一番正しい解釈だと思っています)、またまた私が踊っている子を選択する前に、目がくりっとしてやせ形の、日本人好みの女の子が寄ってきました

 「座ってイイデスカ?」「ドウゾドウゾ」のやりとりが始まりますが、驚いたことに、この子は日本語がそこそこ通じました。名前は失念。

 もし最初の子と出会っていなかったら、こちらの子の方が良かったかな、なんて不謹慎なことを考えつつ、日本語が堪能と言うことは日本人にもてると言うことでもあると認識。

 とりあえず飲み物を奢り、例によって名前はとか、どこから来たかとかのやりとりをして、さらに日本語が通じるので調子に乗って「月に休みはあるの」と聞いてみると、「普通の女の子は月に4〜5回。でも私は踊るのが好きなので、ほとんど毎日働いている」とのことでした。

 「ふ〜ん、そんなに楽しいんだ」と思いつつ、ある意味仕事として誇りを持っているんだなと感じました。もともとこうゆう会話をしたかったので、「今日は混んでるけど、隣のお店の評判はどう?」と、率直に聞いてみました。

 昨日の素っ気ないウエイトレスさんと、ペイバー無しと判断するとあっさり消える女の子のことが頭にあったからですが、「隣では私の友達も働いているけど、あまり楽しくないと言っている」と教えてくれました。

 まあ自分の店へのひいき目や忠誠心もあると思いますが、その後も色々聞いてみると、どうやら「バカラ」と「シャーク」では、お店のママさんの営業方針が違う、と言うことのようでした。

 女の子の話を素直に解釈すれば、バカラはママさんが営業に対してひじょうに厳しい態度で接しているようで、その裏にはノルマ等もあるのではないかと感じられました。

 従って「儲からない」と判断された客は邪険に扱われると言うことのようです。しかしその分一方で、女の子の容姿のレベルを上げ、飲み物類の値段も高くすることによって、選ばれた客がより美しい女の子を選ぶことが出来るというシステムを目指しているのではと思わされました。

 これはたどたどしい日本語で説明してくれた女の子の話を、私が勝手に解釈している部分もありますから、読者の方はそれを鵜呑みにはしないで頂きたいと思います。

 一方「シャーク」の場合はママさんの営業姿勢が女の子に対して柔らかいようで、働きやすい環境を作るように心がけている、ということでした。

 私は半信半疑でしたが、「ほら、あそこにママさんがいるよ」と教えられた場所に、さりげなく女性が立っていて、私と視線が合うとニコッと笑って会釈をしてくれました。

 その態度がすごく自然で好感がもてたので、「なるほど、こんな感じのママさんなら、女の子の言うことも正しいのかも」と思えるようになり、ここで少し内輪の話を公開しました。そんなこんなで話しが盛り上がってきた頃、都合良く?ダンスの交代時間が来ました。

 2階からダンスを終えたいつもの子が降りてきて、私に近づいてきます。ここでようやく隣の子は、私に最初からついていた女の子の存在に気がついたようです。それでも、順番が来たら次は私ね、と言い残してダンスをしています。

 この子は1階で踊っているので、途中で目があったりしますが、比較的奥ゆかしくてニコッと笑うぐらいで、手を振ったりというようなオーバーなアクションはしません。

 一方2階から戻ってきた子は、頃合いと思ったのか「出かけましょう?」と誘ってきます。しかし、バンコクに来る前からこのような状況は起こりえると思い、その時は自分で責任を持てるような行動をしようと決めてきましたので、気持ちが揺れ動いたものの、「NO」と言いました。

 残念そうでしたが、それ以上強引に押してこないところが、かえってなんか申し訳ない気持ちにさせられました。

 その分は昨日同様少し多めのチップを渡すことで勘弁してもらい、それじゃそろそろ帰るからと言い、彼女のダンスタイムに合わせて店を後にしました。(その前にそばにいてくれた子にもチップを渡すよう、会計時のウエイトレスさんにお願いしました)

 日本語を話せる女の子と、ちょっと邪険にしたウエイトレスの女の子が気になりましたが、こう言ったことを引きずっていては、楽しい気持ちが萎えますので、気持ちを切り替えて部屋に戻り、風呂に入って就寝。寝たのは11時過ぎと品行方正?のおじさんです。


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