最終日の夜遊び

 さて時間は9時を過ぎています。翌日は5時半にタクシーを頼んであります。どんなに遅くても5時には起きなくてはいけないので、モーニングコールも頼みました。

 そうすると、睡眠時間は最低5時間は確保するとして、夜11時過ぎにはホテルに戻らなくてはいけないなと思いつつ、最後の夜遊びにむかいます。

 当然ながら時間が迫っていますので、またもやシャークへ。しのごの考えるよりさっさと落ち着きたいと言う心境です。(結局4日間連続の通いで、他の店はバカラだけでした)

 入り口をくぐり抜けるとすぐに例のウエイトレスさんが笑顔で寄ってきて、すぐに席に案内してくれます。と同時に飲み物は「ハイネケン?」と逆に聞かれ、頷くだけです。

 しばらくすると、飲み物が来る前に毎晩お世話になっている子があらわれ、一度も出かけていないのに愛想を振りまいてきます。何がそんなにうれしいのかよく分かりませんが、ニコニコしながらすり寄ってくるので、とても追い払うことは出来ません。

 この3日間ず〜っとなんか娘に親孝行の肩たたきをしてもらっているような心境ですが、それはそれで気持ちはリラックスできるので良しとします。

 ウエイトレスさんがハイネケンを持って現れると、当然のように自分とウエイトレスさんの分の飲み物の催促です。今日は最終日なので、少しは貢いで?上げないといけないかなとも思い、「OK」というと、嬉しそうに飲み物を取りにいきます。

 飲み物が揃ったところで三人で乾杯。女の子と遊ぶというより、なんか家族団欒で飲み物を一緒に飲んでいるという不思議な雰囲気を感じます。これは隣にすわっている女の子が持っている資質なのかもしれないなあと感じました。

 しばらくすると女の子が、「For you」と言って、プラスチックの容器に入ったクリームを私にプレゼントしてくれびっくり。実は私は乾燥肌の持ち主で、アレルギー性のアトピー性皮膚炎にも悩まされています。

 もちろん最近はかきむしるということは全くなくなっているのですが、冬場になると手の甲がカサカサしています。手を揉みながらそのことに気がついてプレゼントしてくれたようなのですが、「えっそんなことまでしてくれるの」と驚かされました。

 普通は気に入った女の子に男の方からプレゼントするもんだと思っていましたが、それが逆になり、驚くやらうれしいやらで複雑な気分です。

 まあそれだけチップをはずんだんだろうと言われそうですが、それほど相場を無視したようなチップは渡していません。まあのんびり何も要求せず、言われるままに飲み物を奢っていたので、女の子としては扱いやすい客だったのかもしれません。

 それでもわざわざ買ってきてくれるという気持ちは充分に感じましたので、大切に持ち帰りました。

 そうこうするうちに最後のお誘いも来ましたが、これは「一応聞いてみるか」程度の要求で、私が「明日は早いので無理だ」というと、あっさり引き下がってくれました。

 最後は名残惜しい感じもしましたが、これは「遊び」と割り切って11時過ぎ退店。ホテルに戻りました。結局4日間通い詰めましたが、本来なら起きるはずのことは1日も起きていません。

 でも私は精神的な充足感というか、気持ちの繋がりが少しだけ得られたような気がしましたので大満足です。「こんな感じならまた来てみたいな」という気持ちにもなりました。


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