第7日目 土砂降りに遭遇 

 閉店の話しはちょっとショックでした。折角入った店なのに、次ぎ来た時はもうなくなっている可能性が高いということです。

 そんな話しをポツリポツリしていましたが、私がこういうお店の初心者であるということがはっきり分かったのか、ビールは追加して飲みましたが、彼女から「飲み物をください」という要請はなかったように思います。

 「カラオケはみんなどんな歌を歌ってるの?出来れば歌って欲しいな」とお願いしたのですが、私は下手だからと言って遠慮されてしまいました。

 天井から下がっている液晶ディスプレイ上には、流行の曲名なんかが次々と表示されていましたが、私にはまったく分かりません。

 話しの接ぎ穂が見つからなかったので、思い切って「食事とか一緒に行けるの?」と聞いてみると、なんと予想外に「行けます」という答えでびっくり。「へえ〜!」と思ったものの、今日はお試し入店ですから、もちろん話しはそこまで。

 そんな話しをしているところへ、突然ママさんや女の子たちがエレベーターからどやどやと出てきて、「外はどしゃぶりです」という、これまたこの季節には珍しい予想外の報告。

 しかも「そろそろ1時間ですが延長しますか?」なんて聞いてきます。暗に「すごい雨だからゆっくり延長してください」というニュアンスが込められていたような気もしますが、ともかくこの時点で一旦退店を決意。

 「どうせ雨と言っても、客を引き止めるための方便だろう」という若干の疑いの気持ちもありました。

 しかしここからのママさんの対応に頭が下がりました。すぐにビニール傘を差し出してくれて、「本当にすごい雨なので、これを持って行って使ってください。返さなくても大丈夫ですから」と言います。

 これにはさすがにびっくり。ここに来てようやく「本当に土砂降りなのかもしれない」と思いましたが、とりあえず支払い。入るときに言われたとおり800Bでした。

 というわけで、エレベーターで見送られ、1階から外に出てみると確かに激しい雨。とてもじゃないけど傘なしでは歩けません。たまたま歩道上にはひさしが出ている部分が多いので、みんなその下に避難しています。

 空を見上げれば真っ暗で、しかも時折稲光まで見えます。この時期にこんな天候に遭遇したのは初めてです。

 「こりゃあすごいなあ。傘を借りることができて本当に良かったなあ」と思いつつ、しばし雨を見ながら、周辺の雰囲気を観察。

 雨の中大胆に歩く日本人も数名。傘を持っている人は数名。ちょっと優越感。路上はあちこちに水溜りが出来、移動するためには歩道上に雨宿りをしている人がいるので、その水溜りの中に足を踏み出す必要があります。

 たまにタクシーが通るとすぐに駆け寄る人がいますが、ずぶぬれの客を乗せるタクシーも大変です。当然メーターも使ってないだろうなと推測。

 というわけで呆然と佇むこと15分ぐらい。ほんの少しですが雨脚が弱くなってきたのでその先を考えます。時刻は10時ぐらい。

 「まだ遊べるな」と考え、カサをさして、結局いつものパッポンへ。入ったのが「バダビン」。言い寄って来る子が一人いたので、飲み物を奢って、一緒になってしばしダンス鑑賞。

 頭の中では、多少品があり、歌が歌えて、もしかしたら知的な会話も楽しめるかもしれないタニヤの女の子と遊んで600〜800B。

 ゴーゴーですぐ横に女の子がいるものの、大音量の音楽で会話はほぼ不可能。出来たとしても知的な会話は望めず、その代わり若干のスキンシップやダンス鑑賞を楽しめて400〜800Bぐらいだと、本当のところどっちが良いんだろう」と考えていました。

 このあたりの価値観については、もちろんお金が絡むので合理的に考えたがる私は、つい損得勘定で考えてしまうのですが、結局はタニヤだろうがゴーゴーだろうが、相手の子との相性なのかなという気もします。

 そんなことを思いながら、「明日が最後かあ」という思いもありましたが、時刻はすでに11時。ホテルに戻ることにします。

 ちなみに最も相性がよいと思われる子がいる「エレクトリックブルー」にどうして行かないんだろうと思う方がいるかもしれませんが、実は最終日にお店に行くことをすでに約束しています。(この日は休みだということも教えてもらっています)

 というわけで、「もらったカサを明日返しに行った方が良いんだろうか」ということを考えながら、帰りも雨の中、しっかりカサを使ってホテルに地下鉄で戻りました。 



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